高崎神社

2008年03月アーカイブ

ご結婚される方々への提言

人はみな、現世に、永久に生き栄えむと乞願ひしが、現身は、神代の頃より限りありて、ここに人生の果無さあり、悲しみありしも、此の日本の遠く近くの世々の祖先等は、事あるごとに神々に、子孫の弥栄を乞祈奉り来りしが、うつそみの儚き生命も子孫に受け継がはれば、常に生き栄行く。
ひとはみな、うつしよに、とこしえにいきさかえむとこいねがひしが、うつしみは、かみよのころよりかぎりありて、ここにひとのよのはかなさあり、かなしみありしも、これのひのもとのとおくちかくのよよのみおやたちは、ことあるごとにかみがみに、うみのこのいやさかをこいのみまつりきたりしが、うつそみのはかなきいのちもうみのこにうけつがはれば、とわにいきさかゆく。
前文は、日本の伝統的生命観を、詩文体で綴ったものであります。


儚き生命も常に栄行く
< 本文の意とするところ >
人は誰れでも、この世に、いついつまでも生き栄えて行きたいという願望をもっておりますが、いにしえの帝王の不老長寿のこころみも空しく、この世の生が有限であるところに、人生の果無さを悟り、人生最大の悲哀を感じます。
私たちの祖先等は、遠い昔から諸々を神々に祈る際には、いつも子孫が繁栄することを、併せてお祈りしてまいりましたが、この世の儚い生命も、この生命が子孫に受け継がれることによって、この世でいつまでも生き栄えて行くことができるのであります。


< 結婚は生命の継承 >
結婚は、結婚によって、新しい生命が誕生することにより、この新しい生命に、祖先より受け継いだ、かけがえの無い、ただ一つの己が生命が、継承されることに、最も重要な意義があると言えましょう。私達は、不老長寿で生き栄えることを切望し、無限の生を求めますが、この世の生は有限であり、限りあるものです。しかし、結婚により、祖先より受け継いだ生命が、新しい生命に継承されて行くことによって、有限の生命が、無限の生命へと転化していくのであります。


< 全生涯を通しての人生 >
結婚は人生の華ともいわれ、最も希望に満ちたときでもあります。このはなやかな一時期に、人生の生きる意味の多くがしめられていると思いがちであります。そして、この時期、自分の感情の趣くまま、自分の感情が、いかほどまで自由に表現できるかに、人生の意味があるとみる傾向があります。しかし、二十代のはなやかな希望に満ちた頃、四十代・五十代の真盛の頃のみが、人生の特別な価値ある時期ではなく、二十代の一日も、七十代・八十代の一日も同じ貴重な人生の一日となるのであります。はなやかな頃、真盛の頃のみに、特別な人生があるのではなく、人生は全生涯を通しての人生なのであります。


< 主と従との調和 >
お互いに異なる個性をもつ夫婦は、喜怒哀楽の起伏をくり返しながら、協調し、融和する術を身に付け、共同して家庭を築いて行きます。伝統的に、生命継承を結婚の主たる目的とすれば、感情を表現することが現代的な生き方としても、感情の表現は従となり、主たる目的である生命継承の事業を、遂行させるためにこそ家庭は築かれるのであります。生命継承の事業を主とし、種々の欲求は従として、主はどこまでも主とし、従は従として、主と従のほどよい調和のもとに、家庭生活は営まれて行くべきでありましょう。

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